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めまいと頭痛

めまいと頭痛を合併している患者さんが少なくありません。ある程度の頭痛は誰もが経験したことのある一般的な症状ですので、頭痛を感じる人にめまいがあっても、あるいはその逆に、めまいのある人に頭痛があっても、“たまたま”と片付けてしまっていてもおかしくないでしょう。頭痛を長引くめまいの結果とする見方も否定できません。ところが、頭痛に対しての特別な治療をしなくても、くびこり対策を中心としためまい治療中に、がん固な頭痛が治ることもあります。めまいと頭痛の原因がくびに関係するという共通点を有しているのではないかと考えられます。

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  • 家庭医学書などでは頭痛について、片頭痛が血管性、筋緊張型頭痛を筋肉痛とか神経痛に関連したものに大別して説明されていますが、その区別が難しいことが少なくありません。
  • これらの頭痛はくも膜下出血、脳腫瘍などの怖い頭痛を除外おくことが必要です。症状だけの判断は危険で、MRやCTなどの画像診断を受けておいて下さい。
  • 頭痛の原因を考える時に、くび以外に顎関節症、咬合不全などの歯科的疾患、副鼻膣炎などの耳鼻科的疾患を見落とさないことが大切です。

1. 片頭痛

めまい患者さんの約40%に片頭痛があるとされています。逆に片頭痛を有する人の約20%にめまいがあるとも言われています。片頭痛を伴うめまいのことを「片頭痛関連性めまい」とする表現が用いられているぐらいです。 片頭痛はポピュラーな病名の割に、原因や定義のはっきりしない病気です。片頭痛には、典型的、普通型、群発頭痛などがありますが、典型的なものは少なく頭痛全体の約2%です。典型的なものは、頭痛発作前に“閃輝暗点”といわれる視野の中にギラギラと光るようなものが見え、それが拡大して行き中央部分が真暗になって見えなくなることがあります。大ざっぱに言って「反復性の拍動性の長時間続く頭痛」と理解しておけば良いでしょう。

【国際頭痛委員会の診断基準の参考項目】

  • 5回以上反復する
  • 4-72時間持続
  • 片側性
  • ズキズキと拍動する痛み
  • 強い
  • 歩行などの日常動作で増悪
  • 吐気や嘔吐を伴う
  • 光や音に過敏

症状の基本がズキズキとして血管拍動に対応した感じの頭痛であることから、血管性頭痛として分類されてきました。古くは脳血管の収縮によるとされていましたが、最近では収縮ではなく拡張によるとされています。その主な理由としては、頭痛発作時に脳血管収縮作用のある薬剤が有効なことが多いことです。商品名イミグラン、ゾーミック、レルパックス、マクサルトなどのトリプタン製剤が有効です。それでも、患者さんによってはこれらの薬剤が必ずしも有効でない場合もあり、一概に脳血管拡張によって説明できるものでもありません。

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《一口メモ》

 

  • 典型的な片頭痛は、赤ワイン、チョコレート、チーズ、ピーナッツ、海藻、ハム、ソーセージ、サラミなどにより誘発されるといわれています。これらの食事との関係については意見が分かれています。
  • 片頭痛に使用される薬剤の多くにはカフェインが含まれていて、緑茶や濃いコーヒとの飲み合わせが効果的であるといわれています。
  • 20-40才代の女性に多く、生理前後に出現することが多く、妊娠すると出産までの一時的に治ったりします。女性ホルモンのひとつであるエストロゲンが増減することに関係するとされています。性ホルモンは、ナトリウムや水分を体内に貯留させたり血管のセロトニンに対する感受性を高める作用があるともされています。
  • めまいと片頭痛が合併する頻度が何故高いのでしょうか?めまいが片頭痛の原因になっているのか、あるいは片頭痛がめまいの原因になっているのか、とする見方もあながち否定できませんが、納得し難いものです。むしろ、冒頭に書きましたように“めまいと片頭痛の原因が共通している”と考えた方が無理なく理解できそうです。めまいの原因のひとつとかつ「くび」あるいは「くびから脳へ流れる脊髄液の異常」ではないでしょうか?脳内の血管よりもむしろ心臓の拍動と同調した脳脊髄液の流れの異常が、脳に影響してザクザクとした拍動性頭痛を生じるとするメカニズムもありうるかも知れません。
(1) 群発頭痛

強い頭痛発作を生じる病気で片頭痛の亜型です。症状の特徴は「前頭部から目の奥にかけての激しい痛み」で、人によっては目がえぐられるようにも感じます。死にたいほどの痛みで「自殺頭痛」ともいわれます。頭痛発作は、30分程度と短いのですが、一度起きるとその後1週間~1ヶ月ぐらいの間毎日繰り返します。 頭痛が反復することから、群発という大袈裟な名前がつけられていますがこの病気でも2割ぐらいの人は反復していませんので、診断は難しいことがあります。 一般的な片頭痛が女性に多いのに比して、中年男性に多く、喫煙、アルコール摂取と関係します。血中ヒスタミン増加、髄液中アセチルコリン増加が認められる点で片頭痛とは違った病気でしょう。めまい患者さんでこの種の頭痛を訴えることは少ないのですが、治療法も多少異なり見逃さないように注意しておくべき頭痛のひとつです。神経痛、ノイローゼ、くも膜下出血などと誤診され易い病気ですが、いずれにしても脳における異常の有無はチェックしておくべきでしょう。患者さんからすれば、めまいどころではなく脳外科や眼科を受診している可能性もあり、珍しい病気とされていますが実態はよく判りません。

2. 筋肉痛および神経痛による頭痛

(1) 筋収縮性頭痛
(1) 筋収縮性頭痛

慢性頭痛の半分近くにある頻度の高い頭痛です。名前の通り、頭蓋や後頚部に分布する筋肉の収縮が持続することによる頭痛です。
頭痛とするより “頭こり”“くびこり”に近いイメージのものです。頭がしめつけられる、頭が重い、圧迫される感じの痛みが徐々に始まり、ほぼ一日中あるいは数日間続きます。ザクザクとした血管拍動性頭痛とは異なりますが、両方が合併する場合もあります。

原因としては、頭頚部外傷、老視や乱視などの眼球屈折異常、ストレスなどがあるとされています。長時間のパソコン作業や細かい細工物仕事による目の疲れも関係しているでしょう。頭痛が治らないことがさらにストレスとなって悪循環を形成します。 この種の頭痛がめまいに合併することも多く、片頭痛以上にめまいと原因が共通している可能性があります。そのひとつの考え方として、「くび」の関与があります。首回りの筋肉の負担が連鎖的に筋収縮を生じるとしての“「頚性頭痛」”とする概念が重要です。 めまいの原因として「頚性因子」が多いという一面からは、頭頚部外傷、眼科的異常、ストレス、疲れ目なども「くびこり」を介して頭痛につながっていると考えられます。

(2) 項部神経痛

頭痛の原因としてもっとも多いものです。多くは、大後頭神経に沿ったキリキリした痛み、圧痛や圧迫感を生じます。大後頭神経以外に、小後頭神経、大頭耳介神経、前頭神経も痛みの原因となります。後頭神経痛は“固い枕で長時間臥床した痛み”と似ています。くびから後頭部にかけての痛みです。筋収縮頭痛、頚椎症、むち打ち症、頭頚部外傷、歯科的疾患にも合併しますので、これらの頭痛を明確に区別することは困難です。 時には、眼窩部につながる三叉神経も侵されて後頭部痛、項部痛以外に眼の周辺の痛みや不快感を伴います。

(3) その他
(3) その他
  • 薬物乱用頭痛
    なかなか治らないために多くの薬剤を長期に併用することによる頭痛です。一度すべてのクスリを止めると治ることもあります。
  • 低髄圧症候群(クリック)
    脳脊髄液が減少して生じることによる頭痛です。腰から髄液採取した後で生じる場合がもっとも典型的です。老人の場合、もともと脳脊髄液が少な目ですので、ちょっとした発汗、下痢などの脱水でも発病します。
  • 頭蓋外の血管性頭痛
    側頭動脈炎は頭蓋の動脈が拡張するタイプのザクザクする拍動性の頭痛で発熱を伴いとくに高齢者に見られます。
  • その他
    感冒、熱中症などサマザマです。頭痛を細別した表現として下半分頭痛、眼筋麻痺型片頭痛、片麻痺型片頭痛、脳底動脈型片頭痛などの表現があります。

補) 三叉神経痛

補) 三叉神経痛
  • 頭痛とするよりも突然におこる顔面の痛みが主体ですがその広がり方によっては患者さんの病気は頭痛と感じることが多いです。50-70才代の女性に多く上顎から始まり、鼻や歯科痛と誤診されることがあります。
  • 三叉神経は、脳から出て眼神経頚部神経痛に関連する、上顎神経、下顎神経の三本の神経に、別れて顔面全体に広がる神経です。大後頭神経と三叉神経は脳の中でつながっていますので、それらの神経痛を区別することが難しいことがあります。

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